広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

三月最後の土日稽古会

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三月の新陰流の稽古もこの土日稽古会が最後と成りました。二部稽古もそろそろ今回で終わりになりますでしょう。次回からは新たなる年度が始まります。桜も見頃となりますでしょう。何やら心なしか気も華やいで来る気も致します。しかし演武に向けてますます気を引き締めて参ります。


基本を見直し身に付ける良き機会と捉え、伝えた筈で少し御座なりに成っていた体を真っ直ぐ運ぶと言う基本中の基本の体捌きをまず確認し正しく身に付けるべく繰り返し体を運ばせました。教えた筈で有りましたし理解していると思っていた事が何も出来ておらず、改めて伝える事の難しさを感じた次第です。腰を振り、帯の結び目が左右に動く様な動き方をしておりましたので、これでは真っ直ぐ打てるわけも無く、まずは腰を振らぬ様に体を運ぶ事をコツを摑むまで行いました。ほぼ之だけで一時間を要する羽目に成りました。腰を振らぬ事は何とか出来つつ有りましたが今度は下とのバランスを取る為で有りましょうか上体及び顎を逆方向に振る気配が出て参りましたのでそれもまた正す羽目に成りました。まったく初学の者は思わぬ事を平気な顔をして行って参ります。油断も隙も有ったものでは有りません。しかし思い起こせば20年も30年も遣ってる積りの者達にも多々有った現象ではあります。次に正面順逆の打ち、相懸け流し返しと何時もの如く行いました。ここ数ヶ月の成果が少しずつ見え隠れしておりました。今後は少しでも対人の場合に今までの基本稽古の様に遣える精神心を養わねば成りません。人を相手にするとまったく様子が変わってしまいますので。


二部の兵法は少し稽古時間の不足を本人も心配しておりましたが、これは杞憂と呼んで良い状態で有りました。何か自分の中の基準と呼べる事に捉われ過ぎる帰来が有りましたので、其の点は済んでしまった事に留まらず次に遣るべき事に全力を尽くすように申し伝えました。兵法は部分部分に捉われず一本として総てを全力で遣い切る事が大切です。一つの失敗、成功に拘泥していては本質を見失います。其のとき其の時の有るがままを受け入れるしか有りません。次を目指す向上心こそが大切です。五合剣の第一(勇の事)が今一番必要と感じました。知仁も勇が無ければ役にはたちません。ましてや兵法は・・・。しっかり勇気を持って立向かって行って欲しいと思います。