広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

新年第三週稽古会

1月17日、第三週稽古会を行いました。前回は永原君との直伝稽古始めと成りましたが、この日は廣川君、小林君も元気に出向いて参りました。廣川君の用意してくれた鏡餅を正面にお供えして、新年の稽古会の雰囲気一杯での稽古会と成りました。廣川君に取りましての稽古初めは、昨年末の決心その儘に最初から純白の剣道着袴に身を包んでの物で有りました。其の姿に弟弟子二人もしきりに(やはり良いですね)と言葉を発しておりました。
一時からの稽古と伝えておりましたが、道場の用意が整った其の時間ギリギリに出向いて参りました若者に新年最初の説教を行いました。どうも彼は常日頃の職業病で、周りが全ての用意をしてくれる事に慣れすぎている様であります。若造の分際でその思い上がった態度に喝を入れました。分を弁えないにも程がある!そもそも小言を言われるまで気が付かない様な無神経な態度では今年一年が思いやられる。こんな事で厳しいレースで勝てる筈もない。常に周りに気を配ることを強く求めました。

それぞれの思いで一人遣いに精を出し、若者達はそれだけで確りと汗を流し(一人は冷や汗か・・・)座礼に移りました。皆で呼吸を一つにし、道場内の冷気(霊気)を確りと心身に取り込み気持ちを一つにしました。あらためて新年の挨拶を行い、基本の打込みに入りました。無論、先輩から打込んで参りました。基本稽古及び試合勢法用の少し太めの重たい竹刀を体全体を遣って打込んで参りました。病との戦いは継続中でありますので、息は早めに上がって仕舞いましたが、師弟共に心地良い、竹刀を打ち合わせる感触手応えを共有出来ました。戦いの火蓋を切る儀式でもありました。後に弟弟子達が次々と続き、基本稽古を終えました。

温かいお茶で喉を潤した後は、兵法に移りました。無論三学の遣い初めであります。今日只今の気持ちで遣いきった廣川君の三学は見取り稽古を行う若者達の良き手本と成りました。本人も今日の稽古はこの一本で満足との表情を浮かべおりました。精根尽き果てて兄弟弟子の稽古を見守るその姿は、ある種の稽古の理想形でもあります。大人の稽古はダラダラ本数多く行うものでは断じて有りません。本日の今一つのハイライトは永原君の逆風の一本で有りました。付ける拍子での吸い付くような一本が突然に飛び出しました。決まった瞬間の師弟の表情は自然と緩み気味と成ったのは当然であります。得も言われぬ心地良い感触で有りました。新年会の為に早めに道場を後にする彼の足は心なしかスキップしている様でも有りました。

最後に愛刀を皆で抜き合いました。廣川君は久しぶりに兼次を遣っての抜刀で有りました。南北朝とは少し違うバランスでありますが、心地良い羽音をたてておりました。本日は、ほおっておくつもりで有りました小林君は何故にか良い納刀をしておりました。時間まで抜刀を抜き合い、本日の稽古を終了としました。


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