広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成23年宮島厳島神社奉納演武大会

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平成23年宮島厳島神社奉納古武道演武大会に出場いたしました。昨日、博多から市原さんも出稽古に見えられ前日稽古を行なっての本番で有りました。勿論市原さんの参加は今少し先の事になりますが演武前の稽古の雰囲気、本番と参加者の本番へ向けての緊張を体感出来た二日間ではなかったでしょうか。当日の週間天気予報は雨と言うことでありましたが、僅かばかりの気がつかない程度のお湿りで済みました。しかし梅雨のさなかですので蒸し暑い一日でありました。広場での演武前の稽古も直ぐに汗が吹き出して大変で有りました。あまり汗をかかない好美君だけが一人張り切って誰もいなくなった広場で竹刀を黙々と振っておりました。当日は博多から大坪さん御夫婦も駆けつけて頂いて広島柳生会のそろい踏みとなりました。大阪の野原君にとりましては大坪さんとは昨年の招魂社演武以来の再会で有りました。6年間博多で過ごした記憶が懐かしく甦ってきていた様であります。


新陰流の出番は演武の最後辺りでありましたので出場する者もそうでない者も皆夫々に工夫しながら時間を過ごしておりました。熱心に他流の演武に見入る者、それにつられて出場する者の露払いを命じたにもかかわらずすっかりその命を忘れて仕舞った者、思わぬ再会に我を忘れかけて話し込む者、道場外の色々な人間模様を垣間見る事が出来た一日でありました。


演武は三学下からから始まり中段、九箇を披露致しました。演武者其々のこの一年の精進の想いがぶつかり合い、絡み合い、溶け合った気一杯の勢法を打てたのでは無いでしょうか。小生も稽古以上に熱気が湧き上がってくるのを感じました。その熱い気勢は観覧者にも通じたようでビデオのダビングをしておりますと(オオー)とか(スゲェー)とかの音声を確認する事が出来ました。自身の勢法を終えて控えていた者達は聞こえていたようで有りますが、その場での小生の耳には届いておりませんでした。演武を無事終えた二人に取りましては何よりのご褒美ではなかったかと思います。小生からの褒め言葉以上に嬉しかったのでは無いでしょうか。


無論完璧と言う事は勿論ありえませんので反省点も多々有りますがその点は個々に伝える事とします。しかし一点を申せば礼法は今少し気が合わねば成りません。昨年よりは遥かにマシでは有りますがやはりまだまだ物足りません。平生の呼吸を合わせる訓練が未だ足りずと言う事であります。如何に周りがざわついていようと平生の道場の様に振舞えねば本当とは申せません。今回の演武では演武者はもとよりその関係者の立居振舞を拝見しておりまして中々感心する事が有りませんでしたが、名城大学居合道の三名の立居振舞には関心しました。何気ない仕草に良き指導者の姿が垣間見られました。これは無論彼等の資質ご両親の薫陶でも有りましょうが一服の清涼感を感じずにはおれませんでした。


何はともあれ良き時間を共有出来ました宮島厳島の演武でありました。時間の関係上、恒例の藤田屋の穴子飯にはありつけませんでしたが、ご縁の有った初めての食事処で会食を済ませ散開としました。これは之で中々の味でありました。又一年精進を正しく積み重ねて演武に臨みたいと思います。