広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

四月第二土日稽古会

四月第二土日の稽古会を行いました。この二日間は時間を短縮しての集中稽古会としました。新年度が始まり各人各様に仕事に追われる日々が少々続いているようで有ります。この様な時期にはそれなりの稽古を時間を調節しながら行う必要が有ると考えます。集合時間も平素より遅めにし二時間の中で集中的に行いました。


久しぶりに基本稽古は行わず、本伝の太刀に集中する事としました。三学、九箇、下からの三つの勢法のみを現在只今の自身の総てを発露する気迫で遣い切る事を求めました。ドリンクの力を借りながらも仕事で疲れているにもかかわらず、前回何かヒントを掴んだ丹田の締めのコツの効果もあり、合撃、二の斬りと本人100パーセントの満足では無いにも拘らず、中々良い雰囲気で遣っておりました。打太刀としてはほぼ納得できる遣いっぷりでありました。本人は今少しドリンクの効用を期待していた様でありますが、それは厚かまし過ぎます。二の斬りは鋭く打てることは結構なことでありますが、ここはその鋭さを少し内に秘め、大調子での太刀連れの表現を求めました。元々はこの点に優れた処が有りましたので、鋭く打てる様に成った今こそ、そこを秘めながら、悠々と遣って欲しいと願っております。さすれば宮島の神様もこの一年の精進上達の様子を認められ、お喜びに成ること間違いないと思います。九箇の村雲の合撃も良き時期の手応えが蘇って参りました。無我夢中で遣っていた頃にたまたま出ていた良き手応えが、その勢法を理解してくるに従い、その難しさを知り、知ったが故に知らなかった頃に出ていた良き手応えが影を潜めおりましたが、やっとその難しさを理解しながらも遣えるように成って参りました。これこそ上達であります。


最後に僅かな時間でありましたが、愛刀を抜き合い、心地よい刃音を楽しみながら立合を行いました。抜き付け、斬り、納刀と確かに着実に積み重なっているようで有りました。