広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

四月第一日曜日稽古会

昨日に引き続き日曜稽古会を行いました。市原さんに取りましては久々の連日稽古となりました。生憎と他の会員が所要で休みとなる者,遅れる者とありましたので待ち合わせの場所まで小生が出かけて行き,団地内で少しの時間お茶をしながら剣談で時間を調整し道場に赴きました。この時間は一種の講道でも有ります。延春先生との稽古の様子,遣り取り等をその人物を観てさり気無く伝えて参ります。


二時間近く二人稽古と成りましたので,今彼に特に必要で有ります基本打込みを心行くまで行いました。花冷えとは言え,流石に見る見るうちに顔が高潮し汗が額を覆うまでには然程の時間を要しませんでした。連日稽古でありますので昨日の稽古の余韻が鮮明に残っており,然程言葉は必要とせず不味い遣い方をした時には良く自身で感じて入る様で有りました。速さや強さを出そうとすると途端に手打ち(叩き)に成りますので,足腰刀の連動のズレを大きくし基本に徹して遣わせました。兎に角身体全体で竹刀,刀を振る事を心身に沁み込ませるしかありません。少しずつ下半身の安定が増して来る様に兎に角数を懸けて打込みを行うしか方法は有りません。基本の打込みが出来ずに形(勢法)を行ってもそれは踊り以外の何物でも有りません。勘違いする事無く真の剣の修行を行って行って貰います。


本日も勿論三学,八勢を確りと遣って貰いました。まだまだ八勢で返し流しの迷い間違いは有りますがかなり其れらしく成って参りました。特に三学は次の段階への予感が漂って参りました。二の斬りなど中々良い雰囲気が出て参りました。合撃はまだまだ四苦八苦の状態でありますが,兎に角痛い思いをしながらその拍子を求めて行くしか有りません。幾つか右拳に名誉の負傷が出来た頃に良い手応えが出て参りますでしょう。二時間余りの一稽古が終わる頃キタさんが慌しく駆けつけて参りました。休日にも係わらず一仕事を終えての参上ですので,平素はある種疲れた表情で来るのですが何故か今回は妙に元気一杯の参上で有りました。途中余りの疲労感の為薬局に寄り,勧められるままに服用したドリンク剤が思いのほか効果を発揮した様であります。その後の稽古におきましても基本稽古は行わずすぐに兵法を行いましたが事の外良い出来でありました。特に合撃の感触が素晴らしく良い物で有りました。何か掴んだ様でありますので問うてみますと打込む時の丹田の締めのコツを掴んだとの事で有りました。抜刀の斬り下ろしが大変良く成ってきておりましたので然も有りなんと感じた次第であります。抜刀の修行が兵法においても良き効果を発揮してきた様で有ります。之でこその抜刀であります。平素言っております兵法の為の抜刀という事が成果として現れてきた嬉しき出来事で有りました。これでますます兵法も抜刀も楽しくなって行く事でありましょう。


最後に時間の許すまで抜刀を抜きあい,土日の連日稽古を終了致しました。市原さんも良き手応えを持って博多へと帰って行きました。次回の博多での稽古が楽しみであります。