広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

八月湯布院合宿

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八月の博多での稽古会は、湯布院での合宿と致しました。皆の希望もあり何れの日にか合宿を行いたいと考えておりましたが、今回予定の取れる者たちでの合宿を敢行致しました。この地は山口大学剣道部のキャプテンとして後期合宿を行った思い出の地で有ります。37年ぶりの合宿の地は記憶の通りの涼しい地でありました。勿論稽古を開始しますと滝の様な汗が流れて参りましたが、道場の外を流れる風は涼しくて心地良いもので有りました。流石に九州の避暑地と言われるだけの事が有りました。


37年前には宿泊地のお寺のすぐ下に有りました集会場を稽古会場として使用させて頂きましたが、今回は湯布院中学校の剣道場を使わせて頂きました。四方が開放感のある窓になっており大変明るい道場で有りました。床の状態も心地よく、竹刀を打合せる音の響きも良く大変心地よい稽古が出来ました。


長い道中を経て、環境の違う場での稽古は平素味わう事の出来ない感覚を持つ事が出来ます。その意味でも数年に一度くらいは必要と考えておりましたが、今回の稽古でも初めは皆環境に慣れずに基本稽古の途中でさえもキョロキョロと目付が定まらぬ者も有りました。これも又良き経験であります。指摘されて初めて自身で気づき有様では有りましたが、自身の事はやはり気がつかぬ事が多いようで有ります。長旅の影響もあり最後までヘタバリ気味の者もありましたが叱咤激励されながら何とか遣り通しておりました。


稽古内容は平素の通りに三学(とりあげ)八勢、九箇、下からそして抜刀を行いました。今少し時間を懸ける腹づもりも有りはしましたが皆の状況を観ながら判断しました。合撃は皆それなりに初めてと言って良い感覚手応えが有りました。指摘されても気がつかぬ者もありましたが、そこは三磨の位の習であります。自信が気がつかぬ処を知らしめる事に腐心するのが師たる者の役目で有ります。指摘された事は素直に信じ、その感触を自身の心身の中から探り当て掘り起こさねば成りません。所詮マグレではなどと思うのは論外です。マグレであろうとも自身の精進の成果で或ことは疑いの無きことであります。今後はそのアヤフヤな感触をより鮮明にする事と共にその感触の確率を高める工夫に努力するべきです。あまり疑り深くニヒルに為ることは修行の妨げに成るばかりでなく大体指導者に対して無礼であります。剣で最も大切な礼に反します。猛省を求めます。合撃で何かと怖がり逃げ気味の癖の持ち主も、このところ何とかヒヤリとするところでの頑張りの快感に目覚め、今回も最後に良い手応えを出しておりました。兎に角ヒヤリとする処を逃げねば剣の神様は必ずご褒美を用意してくれているものです。


良き稽古をやり終え、後は美味しい湯布院の食に舌鼓を打ち、之も又湯布院の醍醐味で有ります温泉をしっかり堪能致しました。翌日剣道場を斡旋して頂きました竹友会のカワハラさんのお店で地元で有名な鳥の唐揚げも求めさせて頂き、確り湯布院を堪能し散開と致しました。