広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

九月博多定例稽古会

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九月の博多定例稽古会を行いました。台風の接近による影響で中国地方から九州にかけても大変蒸し暑い一日でありました。幸いに早良区の剣道場は弱冷房がはいっており正直稽古(特に抜刀)を行う上では大変助かりました。先月は博多の稽古会を湯布院の合宿としましたので二ヶ月振りの博多での稽古会でありました。久し振りの早良区の剣道場の硬めの床の感触も何となく懐かしく感じました。今回の稽古会で市原さんの参加も丸一年となりました。昨年の八月の稽古会に突然見学を希望され、そのまま入会となりました。その年の10月からはほぼ毎回泊まりがけで広島に稽古に出向いてくる熱心さでありましたので本来半年から一年の体験稽古期間を設けずに即入会と致しました。


全員稽古の前の一人遣いを派遣しておりますと当会に入会する前の六年間の悪癖の一つであります拳の下がる処は特に正面打ちはこの一年で確り正されておりました。体を真っ直ぐに運ぶ処も確り意識して取組んでいる様子でありましたが、後ろ足が体を運ぶ前に付いてゆく処はまだまだ意識とのズレが有るようでした。


基本稽古に入り元立として受けてみますと体を真っ直ぐに運ぶと言うところはまだまだでありました。踏込み足の出が如何しても左右とも開気味に出ておりました。特に順逆の際にはハノ字に体が動いて仕舞います。強く意識しながら取組んでゆくしか方法は有りません。そして正面打ちはではほぼ正されている拳の位置も順逆ではまだまだ不充分です。右で振ってしまう故に左が伸びずそして拳が下がって仕舞います。当然体の働きが出来ておりません。手先だけで時に手首を遣って振り回す結果となっております。これでは太刀筋も刃筋も有ったものでは有りません。諦めず弛まず元立相手に打込みを繰り返すしか有りません。先ずは鍛錬の鍛です。千日の稽古を課すしか方法は有りません。焦りは禁物で有ります。即席速成など有り得ません。


その後兵法と抜刀を特に抜刀を呼吸法を今一度確り意識しながら抜き合いました。吐き尽くし静かに吸い溜める。すべて丹田呼吸で刀と一体に成りながら行わせました。これの方法は入門当時に礼法を通して指導しております。すべての立居振舞において之を実行する事を全員に厳命しておりましたが、その苦しさから逃れているのが現状で有りましょうから今回今一度喝を入れておく事に致しました。所詮剣は呼吸法を離れてはささら踊りの類に堕して仕舞います。苦しさから逃げることは許されません。今回苦しさから逃げねばえも言われぬ充実感を得られる事の予感は少なくとも感じる事が出来たのでは無いでしょうか。