広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成24年初稽古会

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新年初稽古会を行いました。稽古に先立ちまして恒例の参加者全員での初詣に行って参りました。今年は初めて廿日市の速谷神社に出向き、皆愛刀と共に今年一年の更なる精進と真の上達を求めて本殿にてお祓いをして頂きました。境内は思いのほか賑わっており参拝者が入れ替わり立ち代りひっきりなしに訪れておりました。参拝を済ませて皆で軽い食事を済ませて道場に赴きました。新年の初稽古日はここ数日では穏やかな陽射しの一日でありましたが、五月の道場内は新年初めからの雪の影響で有りましょうかシンシンと冷え冴え渡っておりました。稽古はじめとしては最も相応しい状態で有ったと思います。道場内に鏡餅をお供えして稽古に入りました。


マスクをした風邪引きさんも久々に剣道着に袖を通して、呼吸困難に陥りながらも確りと初打込みを楽しんでおりました。少し病?のせいにしてチンタラ打ちに陥りそうでしたが、僅かな指への傷を付けられた事で火がついたような打ちに変わりました。激しく遣えるなら最初から行え!・・・と言う事であります。博多から参加の市原さんも暮れから正月休みの影響で有りましょうか、かなり早い段階で金魚状態に成っておりましたが容赦の無い元立に他の者より何故か長い打込みを施されておりました。これで寒さは吹き飛んだ様で有りました。永原君も昨年来の課題を確り意識した打込みを繰り返しておりました。求める精度ははるか先に有りますので時に苦笑いを交えながら懸命に打込みを繰り返しておりました。皆しっかり暖気が出来たところで新春の初茶会の時間としました。最初に用意されたお茶は何やら身体に良いで有ろうから飲む事が出来る代物でありました。・・・・・。


皆気を取り直して兵法に入りました。先ずは勿論三学とりあげであります。この最も大切な一太刀を各人新年遣い初めの気を込めて厳かに遣い合いました。早くも出たお祓いの成果で有りましょうか皆夫々に良き手応えが出ておりました。この勢法は遣うたびに新たなる手応えを与えてくれます。伝書に有りますように(下からの予備勢法)などとの言葉を真に受けて軽く考えている輩にはこの大切さや有難さは生涯判ることは有りませんでしょう。勿体ない事であります。その後試合勢法を二本遣い合いました。これで皆すっかり寒さを忘れてたのは良いのですが息が上がってしまったようであります。本伝の太刀の奥深さは有りませんが心技体を練ると言う意味合いでは之も又大切な勢法であります。伝書にありますように(玉石共に・・・)などとの言葉を真に受けて疎かにする事など勿論出来ません。例え大した事がないと思える一勢法にも心を込めて取り組むのが剣の修行で有りますから。


風邪引きさんが繰り出した長短一味の合撃は今年の兵法始めを締めくくる一撃でありました。昨年までならおそらく逃げてしまう処を見事に踏みとどまり鮮やかな打ちを施してまいりました。大げさではなく数年に一度出るか出ないかの1本でありました。マスクで隠れた口元が小生意気にニヤリとした事は間違いの無い処で有りましょう。


時間も押して参りましたので之も又お祓いを済ませた刀での抜きぞめを行い稽古始めを終了致しました。今年の稽古はじめは初詣に始まり鏡開きも交えての盛りだくさんで有りましたが、何とか場に即応出来たのでは無いでしょうか。何やら良い一年の予感がしてまいりました。