広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

九月最後の稽古会

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九月最後の稽古会を行いました。今回は宮崎の甲斐先生が岐阜国体の開会式に参加されて、その足で広島の稽古会に参加されたい旨の申出が有りました。従いまして今回は宮崎遠征に出向いた者のみでの対応と致しました。宮島演武で始まりました甲斐先生との御縁は思いもしない展開を見せております。之も又過日、亡き師から突然に宮島厳島神社での演武参加を命じられた事に起因致します。その意味で之も又師のお導きであると感じます。その意味においても何処までも真摯に対応せねばとの思いをあらためて強く致しました。


西広島までお迎えに上がり道場に入りましたのは通常よりは1~2時間おくれで有りました。長旅でお疲れでも有りますので一服の時間も入れて二時間の予定での稽古会と致しました。基本稽古は外せませんので短時間にしかしその分激しく行いました。その間我らの動きに興味深く連れ従い、一緒に動きながら見取り稽古をされておりました。一服の際に是非宮崎でもこの基本稽古を皆に見せてやってくださいと言われておりました。兵法のみでなくこの基本稽古に興味を持つ処に甲斐先生のお人柄が偲ばれます。


宮崎での稽古を想像しながらの伝承と成りました。やはり未だ師範代への伝承が行われておりませんので一人遣いの弊害が無きにしもあらずと言った処は確かに感じられました。しかし着実に前回よりは進んでおりました。平素の修行が垣間みられた気が致します。今まで修行されてこられた流派との違い(一種の悪癖とも思える物もある)に可也四苦八苦されている様子もありましたが、ならぬものはならぬとの態度で臨みました。時に見せては成らぬ一手も交えての直伝で有りました。愛弟子共々、オフレコの部分にも感激されておりましたが之も又愛弟子への間接的な伝承でも有ります。その意味でもこの方との御縁は有り難い事とあらためて感じ入りました。


稽古後は折角のお出ででもあり又本日は中秋の名月でも有ります。宮島の対岸の料亭での歓談と致しました。宴もたけなわの頃、宮島の上に中秋の名月が顔を覗かせました。早速庭に出ての観月と致しました。地元の者でも宮島の上に昇る満月は中々に観る機会は有りませんが先生もいたく感激しておられました。十月にまた宮崎を訪れる事をお約束してお別れ致しました。稽古も月も良き一日でありました。