広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成25年宮島初詣そして初稽古

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新年の初稽古に先立ち、宮島厳島神社への参拝へ出向きました。一先ず退院したばかりの者、帰省して一日帰広を早めた者と夫々に遣り繰りしながらの全員参加の参拝と初稽古会でありました。まずは昨年からの心配の種であります好美君が元気な姿を見せた事は新年早々の喜びで有りました。厳島神社の御祓いでは先ずは彼女の病の快復を願い、そして会員一同の今年一年の良き精進と確かなる上達を祈念致しました。年末から続いておりました寒波もこの日ばかりは遠慮してくれた様で優しい日差しが一日中降り注いでおりました。初めて参加した小林君と今年おそらく初演武としてその場に立つであろう永原君の若き二人は厳かな感慨深げな様子で何時までも国宝祓い殿を眺めておりました。


折角ですので鳥居を背景にしたものと厳島神社を背景にしたものとの記念写真を撮りました。今回の一枚は治療に入る前の好美君が写してくれた一枚です。


お祓いをすませて此処暫くありついてない藤田屋の穴子飯を目指して参りました。一時間以上待ちましてありついた穴子飯の味は変わらず絶品でありました。初めて食す若者二人も言葉を失った如く、黙々と食べておりました。10日近くの入院で少し食の細くなった好美君も完食とは参りませんでしたが、数年ぶりの味に大満足の様子でありました。その後当会の定例であります藤井屋の焼きたて紅葉饅頭をいただき、一路道場を目指しました。


全員で初稽古を迎えられた喜びと今年一年のたゆまぬ精進の言葉をそえて初稽古を開始致しました。時間も宮島参拝で可也おしておりましたが何時もの様に基本稽古から行いました。これを外して稽古は有り得ません。まだ傷口の完全に癒えて無い者も何故か見取り稽古では無く、剣道着袴を着用して元立の前に何時もの様に一番に立っておりました。流石に踏み込みには不安が有るようで、入門したての頃にさずけた摺足でのゆったりとした遣い方で、身体の細胞の総てと会話する様に久々の基本稽古を楽しんでおりました。皆の基本稽古を終えて、兵法の遣い始めは勿論三学(とりあげ)これのみを皆で遣い合いました。神様からのお年玉の如く、各人各様に昨年とは違う良き手応えが出ておりました。基本稽古と同じ様に摺足でのゆったり遣いの好美君は二の斬りに思わぬヒントを得たようで有りました。踏込みでの鋭い遣い方では見過ごしがちに成る処が思わぬ形で明瞭に成った様です。良き事であります。その後抜刀の抜き始めを行い、初稽古を終了しました。


我らは何も望外な事など望んでおりません。只々縁あり、集う者たちが一名も欠けることなく真の稽古に励みながら其々の魂の触れ合いの中で剣技、人格を高めて行くことがまっとう出来れば良いのです。只々その事のみを願い祈るものであります。