広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

八月最後の稽古会

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八月の稽古会も、この日が最後と成りました。二十日未明に発生した土砂災害は、いまだ行方不明者の捜索が続いている状態であります。一日も早い発見救出が望まれて成りません。当会の平生稽古会で使っている道場も、裏山からの土砂流出が有り、撤去が完了したこの日から当道場での稽古を再開致しました。この日は柳井から関戸君が久しぶりに出向いて参りました。平生の一人稽古で使い込んでいる愛刀が柄の中で少し暴れ気味になっておりましたので、稽古前に調子を整えました。暫く振りに手に取りました則国は、平素の稽古の様子が垣間見られる様に僅かに錆が浮かんでおりました。これは手入れ不足とか或いは暫く抜いていないと言う事ではなく、反対に日々怠り無く毎日熱心に振っている為に、大量の汗を吸い込んで、予想外に思った手入れの効果が追いついていなかったと言う事でありましょう。棟や鎬地の錆は今暫く拭いでの様子を見ながら、近々に砥石に当てねば成らないでしょう。
 
久々の直伝稽古の前に入念に一人遣いを行っておりました。暫し一人遣いを眺めながら、一言二言言葉を掛け助言をする事も又自然な恒例となっております。特に足を進める位置の精度を求めました。常に相手あっての剣で有ります。独り善がりでは踊りに堕してしまいます。意識の高さを再度求めました。股の柔らかい遣い方も少しずつ意識が行っているようで有りますので、暫し言葉を添えずにおきました。後ろ足の備えは僅かに正しました。
 
兵法に入り、先ずは三学を気一杯で遣い合いました。合擊の拍子、二の斬りの太刀連れにはまだまだ苦労しております。一本遣い終えて、暫しワンポイントのこなしを行いました。特に合擊は八勢一本目をその場で繰り返し行いました。少しずつ心身に染み込ませて参ります。二の斬りでの右肩の先行は、一人遣いや打込みで正して参ります。之も又弛まぬ稽古で自然に身に付いてゆくもので有ります。その後九箇の大詰までを遣いあいました。突きの気勢体捌きが少々不足気味では有りました。
 
一服入れておりますと、廣川君が竹刀袋を携えて出向いて参りました。合宿からの風邪をいまだに引きずっており、体調は万全とは言えない状態であります。それでも何とか気力を振り絞って出向いて参りました。おそらく三学の一本でも・・・・との思いでありましょう。礼法を済ませて早速に三学を遣い合いました。二本目の二の斬りの連動は見事で有りました。見取り稽古の関戸君も、力では無いその鋭い遣い方は確りと目に焼き付けた様で有りました。その後、皆で小転を遣い合いました。お護りとして授けた、少し短めの小太刀を遣いながら、合宿で作りました少し長めの小太刀の完成が待ち遠しい様子の好美君で有りました。最後に抜刀を抜き合い、この日の稽古を終了と致しました。