広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

7月第3土曜日稽古会

イメージ 1
七月十九日の稽古会を行ないました。本日は三連休の初日であり、実質的に夏休みの始まりでもあります。いまだ明けぬ梅雨の、蒸し暑い事この上ないという天候で有りました。毎日寝苦しい夜が続いております。稽古に出向いて来る者達も、明らかに寝不足でダルそうな気配を漂わせておりますが、道場に出向き、全体稽古の前の一人遣いで汗を流すと次第に気配が調って参ります。稽古を始めて暫らくするとにわか雨が降り始め、雷鳴が轟いて参りました。これでいよいよ梅雨明けかも知れません。
 
梅雨明けの気配を感じながら、基本打込みに精を出しました。試合勢法の次なる段階を求めて、特に相懸け返し、流しのスムーズな捌き、拍子を求めて遣い合いました。剣道の稽古で言えば切り返しで有ります。一息で続く限り、打ち込ませました。苦しい稽古では有りますが、心気力を充実させるには最適な稽古であります。再起著しい廣川君も相懸け返しに早速取り組んでおりました。遣い終えて息も絶え絶えの中で、心地良い充実感にその心身を浸らせておりました。この様にしながら徐々に体力を回復していっております。剣の技の上達も無論の事でありますが、体力の回復も又速成は有り得ません。共に熟成をさせて参りましょう。速成では葡萄もジュースになってもワインには成りえません。
 
熟成させるためには気を臍下の一点に集中させ、遣いきる稽古を続けるしか方法は有りません。そこには上手く遣おうとか見せたいとか、邪心の入る余地は有りません。手順だけを追い、独り善がりの練習では所詮、稽古には成りません。剣の修行は稽古です。練習では駄目です。真の稽古を行うためには一人では無理であります。稽古を行える同志の存在が必ず必要であります。正師であり愛弟子の存在であります。常に遣い合う存在の何と有難い事でありましょうか。この広い世の中で、互いに引かれる様に巡り合った得がたい同志で何処までも真の上達、高みを目指して精進して参ります。