広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

九月第二日曜日稽古会

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平成27年9月13日、九月第二日曜日稽古会を行いました。この日は、急遽仕事が入った永原君を除いて全員参加となりました。レースの合間に出向いて来た小林君が、めったに顔を合わせる事が出来ない関戸君に数週間前の土産を手渡しておりました。そして魂の抜け殻状態で参加した合宿での失態に容赦の無い先輩に、殊勝にも?フジのウイナーズキャップを手渡しておりました。これは表彰台に上がったドライバーにだけに支給される大層な…物で有るそうです。勿論、稽古後に帽子に偉そうにサインをしたのは・・・・当然であります。
道場に到着するや、皆着替えを済ませて夫々の立ち位置で一人遣いに勤しんでおりました。今回は夫々に一言ずつ言葉を添えました。自身の事は勿論、他の門弟達に懸ける小生の言葉に聞き耳を立てている小林君で有りました。その分、一人遣いの時間が他の門弟よりは滞っておりました。どうも彼の場合、置かれている自動車レースという環境が、速成を求めている様で少し心配ではあります。速成を求めて武道は有り得ません。熟成あるのみであります。
基本打込みでは、季節の所為もありますが、無理無く身体を遣い込む時期であると思い、弟子達にそれを求める積りで有りましたが、男衆のへたばり様は想像以上でありまして、小生的には気持ち半分での終了としました。無論、出し惜しみ稽古をしては愚の骨頂でありますが、死力を尽くしながらも今少しもがいて欲しい物であります。体の力みを取り去るには、其れしか方法は有りません。廣川君も体調万全の頃の自身と重ね合わせながら、弟弟子達の不甲斐なさに、物足りない気配を発しておりました。
この日は廣川君が、杖を持参しておりました。これは数か月前から宣言通りであります。先ずは鏡の前で、杖を遣っての刀法を行っておりました。一尺短い木刀で行う其れとは違う感触に新たなる興味を感じている様で有りました。
兵法は無論、皆で先ずは三学を遣い合いました。各人各様に合撃に良き手応えを発しておりましたが、特に関戸君個人は生涯初の手応えを感じた様でありました。その感激は余韻を持って稽古の間は勿論、稽古後も心地よい興奮として続いた様であります。此の感触を持って、彼も真の広島柳生会の一員に成り得たと言う事であります。おめでとう!
その後、兵法は廣川ペースに巻き込まれて、新陰流仕込杖の稽古と成りました。特に小手縛りでは、合気道の遣い手?であります関戸君相手に盛んに挑んでおりました。反対に彼に懸けて貰って痛そうにしておりました。その様子を見ていて、少し合気道の遣い方で小林君に遣ってみるように申しつけました。その様子を観ていると彼の現在の技量、課題が良く見て取れました。当然に、至っていないと言う事で有りますが、彼が求めて当会にたどり着いた意味が良く解りました。剣の術理が身に付いてゆけば彼の心も合気道も変わって行くと言う事であります。現在の彼の合気道は所謂、争気道とでも称するレベルであります。
最後に時間の許す限り真剣を皆で抜き合い、稽古終了と致しました。今回の稽古は廣川君にとりまして18回目の治療の、小林君にとりまして来週末のレースへの送り出し稽古で有りました。それぞれに良き戦いをして欲しいと願っております。
稽古後の歓談は、いつもの第一楼でありました。その場で例のウイナーズキャップに自身のサインをして、恐縮そうに(申し訳ありませんでした)と今一度、言葉を添えて手渡した小林君でありました。余程怖かったので有りましょう・・・。