広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

九月第三土日稽古会

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九月二十日、二十一日と稽古会を行いました。先週の日曜日に廣川君の送り出し稽古を行いましてから最初の土日稽古会であります。その場に、皆に少し遅れながらも何と好美君が出向いてまいりました。今回から認可されたばかりの新薬の投与は、今までの様な極端な副作用の苦しみから劇的に開放してくれた様でありました。皆その元気そうな様子に接し、驚きを隠し得ませんでした。これならば今後の戦いに大いに期待が持てると感じた一同で有りました。
 
先ずは若手二人が定時に出向いて参りました。挨拶を交わしながら東京土産を渡す、小林君で有りました。先輩には入院当日に最初に渡しておりました。永原君が三番目となります。その後は二人共一人遣いに熱心に勤しんでおりました。その際に次なる段階として授けた初動に対する課題に、頭を捻りながらも心でブツブツ言いながら取組んでおりました。確りと自得を求めて参る所存であります。永原君には特に抜刀での斬り下しでの身がかりに取り組む様に申し伝えております。二人共其々にその点を念頭において取組んでおりました。
 
基本稽古の打込みを行い、時に課題を意識したヒギリを行いました。あまり遣り過ぎても問題が生じますので、気の熟した処に無理無く付けてみました。少しずつ何らかのヒントに成って来ると信じております。打にのみ気が行き、雷刀が乱れている処が有りました。正す事としました。流し返しの連続打ちの際の前足が内足にならぬように則しました。一本一本が無論大切ですが繋がって来て欲しい物で有ります。
 
兵法に入り、先ずは三学を遣い合いました。良き合擊、二の斬りと可也の手応えを個別に得ながらもここ暫く、なりを潜めていた永原君に、良き二の斬りが蘇って参りました。プクッと膨らむ鼻の穴が確りと彼の満足感を現しておりました。小林君も思わぬ心地良い手応えを得て、遣い終わるまで相好を崩しっぱなしと言う事が有りましたが、最近誰かさんに似て来ております。時折鼻の穴を膨らませる事があります。本日も然りでありました。皆其々に体格、性格、資質は違うのですが、共に稽古を重ねておれば自然と似てくる事が有る様です。しかしそんな事が似てこなくてもと思うわぬ事も無いのですが・・・。
 
九箇を遣い終えた頃、主役が登場してまいりました。やはり主役は遅れて来る位が様になります。(と言う事にしておきます)
その顔色の良さ、表面上の元気さに暫し呆気に取られている若者達でありました。先ずは一服しながら今回の入院状況に花を咲かせました。投薬後の苦しさも殆ど感じず、これなら今後も確りと治療を行えると語る彼女の顔は正しく輝いておりました。器量も心なしか上がっていると感じたのは小生だけでは無いと思います。体に感じる辛さよりも、そこから至る心の状態の大切さを感じた男集でありました。
 
師弟共々剣の神様確りと報告とお礼をし、退院祝いの一本を遣い合いました。何故にかユガケはつけずに臨んできた愛弟子でありました。心地良い合擊の手応えにも、体調の良さ故に今一つの出来の良さを欲するのか少し物足りない表情をしておりました。本日はこれで良しとします。こんな状態はこの二年での戦いでは有り得ない事であります。彼女に一足先に実りの秋が訪れたのではと思う一同で有りました。その後、小転を皆で遣い合いました。無論遣う小太刀はお手製の物を遣っている若者達で有りました。廣川君は前回の入院の際に小生がお守り刀として授けた物を遣っておりました。
 
抜刀を遣い合い、本日の稽古を終了し、仮出所祝いの歓談の場に移動し、時間の許す限り盛り上がりました。