広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

5月第四土曜日稽古会

平成28年5月28日、5月最後の土曜日稽古会を行いました。この日は工事の為に終日停電で有りました。写真の画像の暗さはその為で有ります。そんな中、若者二人が職務の合間を縫って出向いて参りました。永原君が小林君と顔を合わせるのは、一ヵ月ぶりで有りましょう。その様な挨拶を二人で交わしておりました。その後は時間を惜しむ様に一人遣いに精を出す二人で有りました。
平生よりは遥かに薄暗い道場の雰囲気は、小生には子供の頃からある種慣れた懐かしい物ではありましたが、若者達はどの様に感じたのでありましょうか。以外に集中できると感じたのではないでしょうか。昔の道場は、確かに薄暗いものでありました。最近は道場ばかりでなく、何処も彼処も妙に明るい処ばかりであります。
そんな中での基本打込みは、道場の様子が影響したのか二人共に平生とは違う感覚が有りました。集中の高まりの為か、妙に打ちに来ておりました。そこから来る微妙な力みは、連続遣いの後半に明らかに疲れと成って出て来ておりました。小林君などは最後は握力に頼っておりました。この状態では所詮太刀筋に狂いが生じてしまいます。そこの処を指摘して基本を終了しました。
兵法に入りまして三学、九箇と遣い合う内に、早くも永原君の目付きが怪しくなって参りました。そう言えば昨晩のメールが妙に遅い時間で有りましたので勤務状態を確認しましたが、案の定有り得ない時間まで仕事をしていた事が判明いたしました。彼は少し早めに稽古を終了させる事と致しました。
宮島演武が今回デビューと成ります小林君の為に柱の有る嚴島神社祓殿の場を想定した稽古を行いました。平生とは違う捌きの様子に少々困惑の表情を浮かべておりました。稽古の出来ない場での一発勝負と言って良い演武で有ります。プレッシャーの懸かるのは致し方ありません。しかしこれも又皆が通って来た道であります。彼にも確りとその場を味わって貰います。
永原君を帰した後は、真剣を抜き合いました。立合を先に行い、後に居合を行いました。同じ形でも折敷が入りますと丸で違う事を行っている様な感覚に陥っておりました。錬法としての居合も確りと練って貰いますが、所詮は兵法が第一で有ります。兵法の為の居合として取り組んで貰います。