広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

8月最後の日曜日稽古会

平成28年8月28日、8月最後の日曜稽古会を行いました。この日は、永原君との直伝稽古と成りました。延々と続きました猛暑もこの日は暫し一休憩の趣で有りました。やはり時期が来れば涼しくなって行くのかもしれないと感じさせる一日で有りました。当たり前の事ですが、今年の猛暑は最早日本は亜熱帯に成って仕舞ったとさえ思える日々で有りました。
僅かばかりの過ごし易さに、永原君の一人遣いもここ最近になく熱を帯びて遣っておりました。途中、右太刀の太刀筋の乱れを指摘しましたが、後は一言も発すると事なく観とりました。
心静かに呼吸法に気を凝らし、礼法を行い、兵法に入ろうとした処で若者が一人、見学に訪れました。昨日電話して来た者でありました。自分の素性も名のらず自身の勝手な思いだけを伝えて来た者でありました。本来なら見学など許す事は無いのですが、少し最低限の礼儀を確認させてやろうと許した本日の見学で有りました。案の定、靴は脱ぎっぱなし、道場への入退場の作法も弁えない戯けでありました。道場に見学訪れる最低限の礼法を教え、見学させる事としました。
直伝稽古が始まれば、所詮彼など路傍の石で有ります。隅っこに座らせておきました。
三学、九箇、小転、下からと遣い合いました。永原君は、路傍の石・・・とは行かなかった様で少しばかり踏込みに気が行っていませんでした。そこの処は言葉にて指摘しました。何が有っても先ずは踏込みに気を込めねば成りません。気にする価値も無い若者に気を削がれるなぞ論外であります。之では演武出ている価値が無い。
最後に抜刀を抜き合いました。何時もなら汗ダクダク状態で真剣を遣う事を憚られる状態ですが、少し手拭いで拭って遣ればこの日は心配なく真剣を抜き合う事が出来ました。座り技の足捌きに平素の一人遣いの不足を感じ、指摘しておきました。道場内の稽古だけでは駄目であります。日々の一人遣いを確りと行なって来ねば道場での稽古が真には生きて来ません。平生往生であります。
稽古終了後、座って稽古の一部始終を見学していた若者は(非常に興味深い)との言葉を発しておりました。小生としてはこの礼儀作法を全く身に付けていない若者に、は興味の欠片も無いと言う事であります。