広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

廣川好美君追悼稽古始

平成29年2月19日、廣川好美君の追悼稽古始を行いました。正面に好美君が、生前稽古で遣っておりました愛刀兼次、蟇肌竹刀の大小、木刀大小そして真中に好美君が生前用意しておいてくれました鏡餅をお供えいたしました。鏡餅の隣に紋付姿の好美君が、凛々しい姿で写真に納まっております。
この日を待ちわびたように、一門が各地から集まって参りました。道場に入るなり、皆一様に正面に小走りで走り寄り、好美君と言葉を交わしておりました。無論、手土産のお供えを添えて・・・。甘い物が大好きな廣川君でありました。喜ぶ顔が・・・。

黙祷の時間まで、皆夫々の場で、黙々と一人遣いに精を出しておりました。上への空間が広がった改装なりました道場の雰囲気を存分に味わっておりました。そこ彼処に残る好美君の気配を存分に感じながらの一人遣いの時間でありました。確かに皆に慈愛の眼差しを注ぐ廣川君がそこにはおりました。

座礼に入り、呼吸を一つとし、好美君の御霊に接し、一つと成りその御霊に拝礼を行いました。今日のこの日を、心待ちにしておりましたでしょう好美君に語りかけるように、挨拶を致しましたが・・・流れ出る涙を止めようが無く、言葉も途切れ途切れと成って仕舞いました。しかしながら、当道場の忌明けとなりますこの日に(廣川君が、自慢できる一門と成れ)と自身へも門弟達にも激を発しました。一門挙げての好美君への誓いの言葉であります。

基本稽古の打込みを行い、兵法の初太刀は、無論廣川君を相手の三学であります。他の一門が座して控える中での、三学に廣川君の気を確りと感じた一門で有ります。気持ちの良い三学でありました。
その後の、皆を相手の稽古の中にでも彼女の視線を感じる一門で有りました。夫々に叱咤激励されている事を感じての追悼稽古で有りました。
稽古合間のお茶の時間には、語り尽くせぬ彼女の話題に花が咲きました。今後も我らの時間には、共にある好美君であります。確りと皆の話の輪の中心に座しておりました。
忌明けのこの日から、当会は今まで以上の稽古三昧の日々をおくる所存であります。好美君自慢の一門たるべく精進に精進を重ねて参ります。