広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

6月第三日曜日稽古会

平成29年6月18日、宮島嚴島神社奉納演武大会後初めての稽古会を行いました。先週は大会後の残心業務の為に休みと致しました。大会で初めてのご両親の見守る中での演武で良き働きの出た永原君も勇躍乗り込んで参りました。柳井から関戸君も激務の合間を見つけての参加でありました。
ひとしきり演武での談笑を済ませると何時もの様に一人遣いに精を出す弟子達でありました。関戸君の体の運びが伸びて来ている事に気が付きました。平素の一人稽古の成果が確かに出て来ております。
基本打込みに入ると木偶の棒の様に立っているだけでない元立の捉え難い雰囲気と突如として揺れ出した僅かなる剣先の働きに得も言われぬ不気味さと困惑に陥る彼で有りました。丸で船酔いの様な感覚に陥る自身を何とか仕様と奮闘する関戸君で有りました。奮闘の甲斐有り、打ち自体は前回よりも気の籠った打ちを繰り出しておりました。
兵法に入りますと演武で確りと宮島の神様からご褒美を頂いた永原君の太刀筋に明らかな変化が出て来ておりました。これも又真摯に此の一年間稽古に取組んで来た証であります。
初めて出た村雲の合撃も最早当たり前の様に遣い切っておりました。
下からでは延春先生の得意一手を遣ってみせました。思わずニヤリとした小生の気持ちは確りと打たれた手の痛みと共に弟子達には伝わった様であります。師のあの笑顔が思い出されました。
残りの時間は、弟子達の真剣を振る時間と致しました。竹刀は刀を振る如く、刀は竹刀の様に軽やかに振る様に、共に別物と成らぬように求めました。
梅雨の合間の最早夏かと思う一日を精一杯遣い合いました。

演武後の12日(廣川君祥月命日)にご自宅にお参りとお母さまへの演武の報告に出向きました。持参しましたプログラムと記念品を仮祭壇にお供えして般若心境を唱えました。お母さまは廣川君の映ったプログラムの写真に静かに目を落としておいででした。静かな時間が流れておりました。昨日届けられた当会からの生花が華やかに咲き誇っておりました。廣川君のあの笑顔が・・・月日の経つのは何とも早いものであります。五回目の月命日でありました。