広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

6月第四土日稽古会・・・そして未曽有の西日本災害

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平成30年6月23,24日。6月の土日稽古会を行いました。土日に分かれて皆が出向いて参りました。公私共に盛りの彼らに取りまして、この道場での一時は日々の生活にケジメをつけ潤いを得る、他に代えがたい一時と成っている様です。日々の公私に渡る時間を調整し、作り出したこの一時を共に心技体を磨き合う静謐な時とするべく、魂を傾けて遣い合いました。
道場に入るやいなや時間を惜しむ様に日々の一人稽古宜しく、夫々の立ち位置で一人遣いに汗を流す彼らで有りました。言葉を選びながら見過ごしに出来ぬ事には一言を添えて自得を促しました。
基本稽古の打込みでは、打ちその物は無論、対峙する空間を通して呼吸法を持って、目付、剣先の僅かな動きを持って攻めを施し、実感を持って人に打込む難しさ、刻々として変化する真の間合いの玄妙さを感じて貰いました。時として打つ時を掴みかねて諦めて打って来た時には少し咎める事もしました。
人に対して諦めて打つなど有り得ません。敵わぬ迄もその瞬間までは自身の打ちを信じて打込むのみであります。
手の届くところに有る筈の元立が、到底とどかぬ処に有ると言う感覚・・・捉える事の出来ない実態・・・在るのかさえ計りかねる陽炎の様な感覚・・・確りと感じてもらいました。
本伝の太刀を遣い合い、抜刀を抜き合い二日間の良き稽古を終了し、次回の稽古を楽しみに皆良き手応え持って岐路に着き・・・そこに襲い掛かって来た西日本豪雨災害は、未曾有の被害をもたらしました。道場のあります当団地は、幸いに直接の被害は免れましたが、広範囲にわたる周辺の被害は、交通網の寸断を及ぼし物資の供給が滞る事態となりました。
徐々に明らかになった広範囲にわたる災害の状況は、想像を遥かにこえるものでありました。四年前の土砂災害を遥かに超える甚大な被害で有りました。その日以来、稽古は自粛しておりました。出来る事の限られた中で、出来る事を探し、行い、だからっと言って無神経に稽古を再開する事は・・・とても出来かねる事でありました。
そんな思いでありましたが、何時までも立ち竦んでいる訳にもいかず22日より稽古再開と致しました。