広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

9月第3日曜日稽古会


平成30年9月16日、9月第三日曜日稽古会を行いました。この日は柳井から関戸君が出向いて参りました。彼との直伝稽古を堪能致しました。
道場に到着するなり一人遣いに精を出す関戸君でありました。平素の一人遣いの様子を感じながら暫し見守っておりました。そこはかと観えて来る平素の精進の様子・・・解釈の気配・・・そして一人では如何しても気が付かない処・・・そこの処を一点だけ指摘し、正す事を求めました。一人稽古は、大切でありますが・・・難しい。そこは、直伝稽古で正すのみであります。
最も大切な直伝での基本打込み・・・師弟同行の楽しい一時でありました。元に立ち、阿吽の呼吸で繰り出す・・・此れまでに伝承され授かった自身の剣の全てを繰り出し、与える。受け取る事が出来るか否かは弟子次第・・・受け取る事が出来ねば、師弟関係は無くなります・・・言い訳の利かない戒律でも有ります。
何時の間にか剣の中に消えて仕舞う元立相手に必死に喰らい付く関戸君でありました。其の理も少し理解して来ている様であります。勿論・・・少しではありますが。
兵法では、木刀を遣い現代剣道に脈々と伝えられている新陰流の打留めの神髄を味わって貰いました。相手の攻撃を防いだその盤石な状態に秘められた恐ろしい攻撃性・・・彼も目を白黒させながら、しかしキラキラと輝かせながら、その剣先の言いようの無い感触を味わっておりました。現代剣道に伝えれておりながら、その神髄を理解する者など無い事を彼は、一瞬で理解出来た様で有ります。其れも又彼が、正しき新陰流の道を歩んでいるからであります。
稽古時間の残りを遣い、制剛流抜刀の立合(裏)を抜いて貰いました。少しの手直し、頑空に陥っている処を正しましたが、間違いなく正道を歩んでおります。日々の一人稽古にますます精進する事を願っております。